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蛍光灯はいつまで使える?製造終了スケジュールとLED化の進め方

一般照明用の蛍光灯が2027年末までに製造・輸出入禁止となる「2027年問題」は、家電量販店の売り場やテレビCMでも案内され、すでに広く知られるようになりました。一方で、ビルや賃貸マンションの共用部を実際にLEDへ切り替えるとなると、方法やタイミングをどう決めればよいのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、種類ごとの製造終了スケジュールから、切り替えの方法と時期の考え方まで分かりやすく解説します。

蛍光灯の製造終了スケジュール——次の期限はこの年末

2023年の水俣条約第5回締約国会議での合意を受けて、国内では水銀汚染防止法の施行令が改正され(2024年12月公布)、2026年1月から種類ごとに順次施行されています。「2027年末」という広く知られた期限は最終ラインであって、実際には種類別に前倒しの期限が設定されています。

蛍光ランプの種類 製造・輸出入の禁止時期
電球形 2026年1月1日(すでに禁止済み)
コンパクト形 2027年1月1日
直管形・環形(ハロりん酸塩系) 2027年1月1日
直管形・環形(3波長形) 2028年1月1日

共用部のダウンライトなどで使われるコンパクト形は、この年末で製造・輸出入が止まります。国内メーカーの生産終了は法令の期限より早く、たとえば東芝ライテックはコンパクト形を2024年12月に生産完了とし、直管形・環形も2027年9月末までに生産を終了すると発表しています。ただし各社は需要を見込んだ上で生産を終えており、期限を過ぎても相当量の流通在庫が市場に残るとみられています。期限の日を境にランプが店頭から一斉に消えるわけではありません。一方で、その在庫は今後補充されることのない残量です。品番によって尽きる時期はばらつき、価格も上がりやすく、あと何年買えるかは誰にも確約できない性格のものです。

「使用禁止」ではないので延命もできる。ただし費用効率が悪化

まず押さえておきたいのは、禁止されるのはあくまで製造と輸出入であり、いま設置されている蛍光灯の継続使用や、流通在庫の売買・使用は禁止されないという点です。全館の照明を一斉に入れ替えるとなれば費用も手配の手間も相当なものですから、「期限までに全部替えなければ」と焦る必要はありません。

蛍光灯の器具は、ランプ本体と、電流を制御する「安定器」という部品の組み合わせで点灯しています。安定器の寿命は10〜15年程度とされ、蛍光灯がいまも現役で使われている建物では、器具も安定器も相当の年数を経ているのが普通です。共用部で「ランプを替えたのに点かない」が起きたとき、原因の多くはこの安定器の寿命です。

安定器は規制の対象外で、交換部品は今も入手できます。交換すれば器具はまだ延命できるわけです。ただし安定器交換は配線に触れる電気工事であり、工事費が1台5,000〜15,000円程度、部品代も含めれば1台あたり1〜2万円規模になります。その投資をして延命した先に待っているのは、製造終了で先細っていくランプを買い続ける数年間です。そして、電気工事士を手配するという手間は、安定器交換でもLED化のバイパス工事でも変わりません。同じ工事を頼むなら、ランプの供給問題ごと抜けられるほうを選ばない理由が、年を追うごとになくなっていきます。

LED化の方法は3つ

蛍光灯からLEDへの切り替え方法として、一般に3つの方式が紹介されます。

方法 電気工事 内容
工事不要型ランプへの差し替え 不要 既存の安定器を通したまま点灯するLEDランプに交換する
バイパス工事 必要 既存器具の安定器を切り離し、配線を直結してLEDランプを取り付ける
器具ごと交換 必要 照明器具そのものをLED専用器具に更新する

3つのうち、工事が要らない差し替え型はいかにも手軽に見えます。ところが、この方式は古い安定器を通したまま点灯させる構造のため、年数を経た安定器と組み合わせるとチラつきが出たり、劣化した安定器の異常発熱から発煙・発火に至った事例も指摘されています。役目を終えているはずの安定器が5〜10W程度の電力を消費し続けるため、省エネ効果もその分目減りします。加えて蛍光灯にはグロースタータ形・ラピッドスタート形・インバータ形と点灯方式の違いがあり、ランプごとに対応する方式が異なるため、適合の見極め自体が容易ではありません。

そして肝心の安定器が寿命を迎えれば、結局は工事が必要になります。前述のとおり、蛍光灯が現役の建物では安定器はすでに相当年数を経ているわけですから、この方式は「工事を回避できる方法」ではなく、「リスクを抱えたまま工事を数年先送りする方法」というのが実情です。現実の検討は、バイパス工事か器具ごと交換かの2択に絞られます。なお、この2つはいずれも配線に触れる電気工事であり、電気工事士の資格を持たない者が施工することは法律違反であるうえ、火災や感電の原因になります。

蛍光灯とLEDでは「光り方」が違う

切り替えにあたってもう一つ知っておきたいのが、光の広がり方の違いです。蛍光灯はランプの全周、ほぼ360度に光が広がり、天井や壁にも光が回り込みます。一方、LEDは光の直進性が強く、下方向を照らす力は強いものの、全方向にまんべんなく広がる光ではありません。

このため「40W相当」といった数字を合わせて交換しても、天井付近への光の回り込みが減り、床は明るいのに空間全体はなんとなく暗い、という印象のずれが起こることがあります。共用廊下や階段でこれが起こると、入居者から「前より暗くなった」という声につながりかねません。LED製品には光の広がる角度を示す「配光角」という指標があり、廊下・階段・エントランスといった設置場所ごとに、明るさの数字だけでなく配光まで踏まえた機種選定が必要になります。

器具の「跡」が残らないのは、天井塗装と同時のとき

最後に、切り替えのタイミングの話です。共用部は照明の台数が多いため、不点灯が出るたびに1台ずつ対応していくと、そのたびに手配と出張対応の費用が発生し、その間にもランプの供給は細っていきます。

さらに器具ごと交換する場合、見た目の問題があります。新しいLED器具は既存の蛍光灯器具とサイズや形状が微妙に異なることが多く、器具を外すと、長年の日焼けで色が変わった天井に旧器具の輪郭やビス穴がそのまま現れます。都度交換のためにわざわざ天井を塗り直すことは実務ではまずありませんから、この跡は残り続けます。旧器具の跡を覆うリニューアルプレートという化粧板もありますが、天井面に段差と異素材が残ることに変わりはありません。共用廊下に新旧の器具と跡が混在して並べば、廊下を通るたびに目に入る継ぎはぎ感になり、内見時の印象にも響きます。

この跡が問題にならないのが、大規模修繕や共用部の内装改修と同じタイミングです。天井の塗装や張り替えがもともと工程に含まれているため、器具の跡は仕上げの中で自然に消え、足場や養生も共有できます。照明のLED化を単独の課題として切り出すのではなく、修繕計画の中で共用部の改修工程に載せる。それが、供給が細っていくこれからの数年間で、手間も仕上がりも無理のない進め方です。

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