お役立ちコラム

大規模修繕工事を取り巻く最近の動き

ここ数年、大規模修繕工事を取り巻く環境には、いくつかの変化が見られます。
工事の内容そのものよりも、計画や進め方の前提条件が変わってきています。

建設業全体で人材不足が続いていることや、資材価格の変動幅が大きくなっていることを背景に、工事見積の有効期限が短くなるケースが増えています。
検討に時間をかけている間に再見積となり、結果として工事金額が上がる、という流れも珍しくなくなってきました。そのため、工事費や時期が当初の想定からズレることは、以前より起こりやすくなっています。

2013年を100とした修繕費指数でみると2023年が138.9ポイント(P)であったのに対し、2025年は161.1Pに急伸。この間の上昇幅は22.2Pで、2年間の伸び幅としては過去最大となっている。

出典:一般財団法人経済調査会『積算資料ポケット版WEB』より

修繕工事の仕様の考え方にも変化があります。最近は、修繕周期を延ばす目的で、長寿命化をうたう仕様が選ばれる場面が増えています。工事費用は高くなりますが、将来的な工事回数を抑えるという点では、物価上昇への対応策として有効です。一方で、建物の状態や今後の運用方針に合っていない場合は、結果として高い工事になってしまうだけなので注意が必要です。

マンション向けの話にはなりますが、国土交通省は2024年6月に長期修繕計画作成ガイドラインを改定し、修繕積立金を含めた資金計画について楽観的な前提での運用を抑える方向性を示しています。建物の劣化状況や工事費の動向によって、実際の修繕時期や費用は変わることが前提となりつつありますので、状況に応じて修繕計画を見直していく重要性が高まっています。

最近の大規模修繕工事では、工事費、時期、仕様の判断が、以前より複雑になっています。「計画通り進む前提」ではなく、ズレが生じやすい環境であることを踏まえて、修繕計画を整理していく必要があります。

お問い合わせ
お見積もり
サービス資料
(PDF)