お役立ちコラム

外壁タイルの「ピンネット工法」とは?浮きが広がった壁で選ばれる塗膜系の改修と、保守メンテナンス

外壁タイルの改修工事には、浮いたタイルを剥がさずに行う「ピンネット工法」というものがあります。打診調査で浮きが見つかった箇所だけでなく、音の変わらなかった箇所のタイル目地にも細い金属のピンを一定の間隔で打ち込んでいき、網と樹脂やモルタルの層の面で壁を覆う工法です。

張り替えやピンでタイルを押さえる工事と何が違うのか、仕上がりの見た目や、工事のあとの保守メンテナンスについて解説します。

外壁タイルの浮きを直す工法

外壁タイルの改修工事は、浮いたり割れてしまったタイルを修繕することが目的です。施工方法は、打診調査で確認した修復が必要なタイルが然程多くなければ、浮いた箇所ごとに穴を開けてピンと樹脂を入れる「アンカーピンニング」や、浮いた部分だけタイルを剥がして張り直す「部分張替え」を行っていきます。どちらも、浮いた場所を1か所ずつ直す工事です。

しかし、破損・浮いたタイルの割合が大きい場合は、浮きの有無にかかわらず壁面全体に一定間隔でピンを打って樹脂を注入する「全面ピンニング」や、ピンに加えて塗膜で面ごと押さえる塗膜系の改修になります。「全面ピンニング」は、一般の壁面では1m²あたり16本のピンを打ち込みます。塗膜系は、ピンの間でタイルが浮いても落ちないように、ピンを打った上から壁面全体を塗膜で覆います。

ピンネット工法は塗膜系の工法にあたり、既存の仕上げ層を残したまま、ピンと網を組み合わせて使う工法です。ピンがタイルとモルタルの層を躯体に縫い止め、網がタイルの表面をつないで、ピンとピンの間で浮きが広がってもタイルが落ちない状態にします。網はポリマーセメントモルタルに繊維の網を埋め込む塗り仕上げタイプと、透明な樹脂に透明な網を埋め込む透明タイプがあります。

工法 浮いたタイルの量 工事の中身
アンカーピンニング 浮きが少ない 浮いた箇所にピンと樹脂を入れる
部分張替え 浮きが少ない 浮いた箇所のタイルを張り直す
全面ピンニング 浮きが広い 壁面全体に一定間隔でピンと樹脂を入れる
塗膜系(ピンネット工法など) 浮きが広い ピンを打ち、面全体を塗膜で覆う

工法ごとの仕上がりの見た目

ピンニング工事は、ピンを打った穴は目地やタイルの色に合わせて埋め戻すため、工事のあとに外から見ても、違いはほとんど分かりません

張替え工事は、張り直したタイルが周りと違う色に見えます。タイルは色を合わせて必要数を特注で用意しますが、長年日に当たってきた既存のタイルとは差が残ります。

塗膜系は、タイルの表面に樹脂の層が乗るので、元のタイルより艶感が出ます。年数がたつと塗膜が白濁に白濁と剥がれが出てきますので、それが塗り替えの時期の目安です。塗膜の塗り仕上げは、モルタルの層で壁を覆うので、タイル張りの外観が塗装の壁に変わります。

工事のあとの保守メンテナンス

アンカーピンニング、全面ピンニング、部分張替えは、タイルをそのまま生かしていくので、工事後の保守は次の打診調査で見つかった浮きの追加補修で、工事の前と変わりません。

塗膜系の場合は、保守の対象がタイルから塗膜に変わります。透明タイプは、白濁や剥がれが出た段階でトップコートの塗り替えになり、塗膜の傷みが進めば、塗膜を剥がして塗り直すことになります。塗り仕上げタイプは、塗装の外壁と同じ塗り替えです。周期はピン補修より短く、概ね施工後10年程度です。作業の中身も、浮いた箇所を直す工事から、壁面全体を塗る工事に変わります。足場を組むのか、ブランコで行えるのかも、塗る範囲と建物の形で変わります。

修繕計画で外壁タイルに置いている保守は、部分張替えかピン補修です。塗膜系にすると、保守の中身も周期も、その前提とは別物になります。

工法 工事のあとの保守
アンカーピンニング・全面ピンニング 次の打診調査で見つかった浮きの追加補修
部分張替え 次の打診調査で見つかった浮きの追加補修
塗膜系(透明タイプ) トップコートの塗り替え。傷みが進めば塗膜を剥がして塗り直し
塗膜系(塗り仕上げタイプ) 塗装の外壁と同じ塗り替え

ピンネット工法の強み

ピンネット工法は、壁面全体をピンで躯体に留め、その上を網と塗膜で面としてつなぐ工事です。浮きが広がった壁では、直した箇所の隣に次の浮きが出ますが、ピンネット工法は、次の浮きがどこに出ても網の層が受け止めて、タイルを落としません。全面ピンニングにはない、面で止める構えです。

表面に艶が出て、タイル本来の見た目からはやや劣る点は引き受けることになりますが、人の往来が多い通りに面した壁面や、出入口や駐車場の真上の壁面では、浮きの再発そのものより、落ちたタイルが人に当たることを止めるほうが先です。タイルを多数張り替える場合と比較すると、ピンネットは費用を抑えることが、壁面全体の落下を面で止められます。安全性とコスト面の両方を考えた場合、ピンネット工法は強い選択肢になります。

【画像生成指示】
画像1
差し込み位置:タイトル直下(アイキャッチ)
生成プロンプト:東京の市街地に建つ中層の賃貸マンションの外壁で、ベージュ色の磁器タイル張りの壁面に足場が組まれ、ヘルメット姿の作業員が一人、後ろ姿で目地にドリルで穴を開けている写実的な写真。壁面には小さな穴が目地に沿って規則的に並んでいる。タイルはきれいな状態で、割れや汚れはない。背景に東京のビル群と晴れた空。顔は写さない。人物は一人だけ。画像内に文字は入れない。

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工法ごとの仕上がりの見た目

の見出し直下
生成プロンプト:賃貸マンションの外壁を引き気味のアングルで写した写実的な写真。左半分はベージュ色の磁器タイルの上に透明な樹脂の層がかかって艶があり、タイルの色と目地が透けて見え、小さなピンの頭が等間隔に並んでいる。右半分は同じ壁で、張り替えた一区画だけ周りより少し明るい色のタイルになっている。壁は全体にきれいな状態。斜め前から引き気味に撮影、晴れた日の自然光、背景に東京の市街地。人物は入れない。画像内に文字は入れない。

画像3
差し込み位置:

工事のあとの保守メンテナンス

の見出し直下
生成プロンプト:ロープで吊ったブランコ(作業用の板)に座ったヘルメット姿の作業員が一人、後ろ姿で、ベージュ色の磁器タイル張りの外壁にローラーで透明な塗料を塗っている写実的な写真。壁は全体にきれいな状態で、塗り終えた部分だけわずかに艶がある。背景に東京のビル群と午前の自然光。顔は写さない。画像内に文字は入れない。

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